


彼と別れたんだってね。
そうか。
泣いたかい?
たくさん泣いたかい?
それなら良かった。
ちゃんと好きだったってことだから。
でもね。
そんな顔をしなくてもいい。
終わったんじゃない。
ただ知っただけのことなんだ。
君は彼を知った。
恋を知った。
愛を知った。
そして、
自分のことも少し知った。
誰かを好きになる喜びを知った。
会いたくて仕方ない夜を知った。
声を聞くだけで嬉しくなる気持ちを知った。
手をつなぐ温かさを知った。
そして、
思い通りにならないことも知った。
寂しさも知った。
不安も知った。
嫉妬も知った。
孤独も知った。
別れも知った。
涙も知った。
忘れられない夜も知った。
いいじゃないか。
それだけたくさんのことを知ったんだから。
人生ってね。
何かを手に入れるためだけにあるんじゃない。
何かを知るためにもあるんだと思う。
幸せを知る。
悲しみを知る。
出会いを知る。
別れを知る。
希望を知る。
絶望を知る。
そしてそのたびに、
少しずつ自分という人間を知っていく。
だからね。
君は失敗なんかしていない。
遠回りもしていない。
ただ、
人生を学んだだけなんだ。
僕は今日の君を見ていて思うよ。
少し前より綺麗になったなって。
化粧の話じゃないよ。
髪型の話でもない。
なんだろうな。
うまく言えないけれど、
急に大人になったみたいなんだ。
優しさの中に、
少しだけ寂しさが混じって。
笑顔の中に、
少しだけ強さが混じって。
人はね。
悲しみを知るたびに、
少し深くなるんだと思う。
だから今は無理に前を向かなくていい。
急いで次の恋を探さなくていい。
でも僕は少し楽しみなんだ。
次に君が誰を好きになるのか。
どんな恋をするのか。
どんな笑顔を見せてくれるのか。
きっと今度は、
もっと素敵な恋になる。
だって君は、
前の君より、
たくさんのことを知ったから。
だから今日は、
終わった恋を数えるんじゃなくて、
知ったことを数えてごらん。
愛を知った。
幸せを知った。
悲しみを知った。
別れを知った。
自分を知った。
ほら。
思っていたより、
たくさんの宝物が残っているだろう。
そしていつか、
今日の涙も、
君を綺麗にしてくれた雨だったんだと、
笑いながら話せる日が来る。
その時、僕はきっとこう言うんだ。
「だから言っただろう。
君はあの日、
何も失ってなんかいなかったんだよ。」

めっちゃ好き!
いい声ですね
胸にしみる